お世話になった海外にお住まいの方、特に日本の伝統文化や技術に興味がある方への贈り物としてぜひおすすめなのが、漆器の飾り皿。
海外では「japan」と呼ばれている日本の漆器は、古くから世界的にも高い評価を受けてきました。高い技術で描かれる、きらびやかな蒔絵の施された漆器の飾り皿は、日本の文化と技術が詰まった珠玉の一品といえるでしょう。
西欧の古い文献にも残る、日本漆器への高い評価
海外では、漆器のことを「japan」と呼ぶことをご存知でしょうか。漆器そのものは日本以外にもアジアを中心に諸国で作られておりますが、日本の漆器は交易品として特に注目を集めていました。
一六世紀の西洋人との出会いによって日本や中国、ベトナム製の漆器は漆文化圏外へと流通したことが知られている。その中で最も高い評価を得たのが日本製漆器であり、一七世紀から一八世紀にかけての西欧の文献にしばしば登場する広義の漆を意味する「ジャパン(japan)」の語は、こうした日本製漆器の拡散を物語ることばととらえられる。
国立歴史民俗博物館『企画展示 URUSHIふしぎ物語 -人と漆の12000年史-』(歴史民俗博物館振興会、二〇一七)一〇~一一頁
今も尚、日本の漆器はjapanを呼ばれています。日本の伝統と技術が今尚息づく飾り皿は、インテリア性も非常に高く、日本で過ごした日々を思い起こさせてくれるでしょう。
海を越えて愛された蒔絵の美を、飾皿で堪能する
蒔絵(まきえ)とは、漆器に漆を用いて絵や文様を描き、金銀粉を蒔いた後、さらに磨き上げる漆芸を代表する伝統技法のことを言います。
19世紀、パリで行われた万博において西欧の人々に日本の芸術、日本の文化力を知らしめたと言われるのが、この蒔絵という技法です。
平安の雅を愛した貴族、時代を謳歌した豪族、武家たち・・・。そして、言葉も文化も精通してなかったかつての西欧の人々の心をも魅了した。精巧で華やかな蒔絵の美。漆器の飾皿は、そんな日本が誇る普遍的な美を堪能できる一品です。
艶やかに光る黒い塗装面に、重厚な黄金の輝きが映える蒔絵、また彩り鮮やかな螺鈿の漆工芸は、とくにヨーロッパの富裕層のあいだで評判となり、日本という東方の未知の国を象徴する物品として珍重された。
国立歴史民俗博物館『企画展示 URUSHIふしぎ物語 -人と漆の12000年史-』(歴史民俗博物館振興会、二〇一七)一八七頁
おすすめの漆器の飾皿5選
ここからは、海外の方への贈り物としてぴったりの漆器の飾皿をご紹介いたします。作品によっては、料亭やホテルなど、エントランスや客間をも華やかに演出できる華やかな漆器の飾皿。ご予算に応じて、素敵な一品をお探し下さい。
【山田平安堂】飾皿 風神雷神
古典の名作、「風神雷神図」。独創的な神々しい風神と雷神の表情、金箔や銀泥、顔料などを用いて表現された美しい色彩感覚など、現在に置いても高い評価を受けている。
【山田平安堂】飾皿 琳派写
江戸期に生まれた日本の造形芸術の流派「琳派」。大和絵の伝統を基盤とし、大胆な構図、金銀箔を用いた豊かな装飾性などが特徴だ。この琳派と呼ばれる芸術家が残した名作の数々を、蒔絵師が手描きで表現した一品。
【山田平安堂】飾皿 鳳凰
何層も蒔絵を重ねることで立体的な美しさを生む「高蒔絵」で幻想的な鳳凰を描いた飾皿。大胆な本金蒔絵で羽の一つ一つを細かく表現しながら、細部には「梨地(なしぢ)」「螺鈿(らでん)」といった、漆工芸が誇る装飾技術を惜しみなく用いている。
【山田平安堂】飾皿 扇面春秋
日本人だけでなく、世界中から訪れる人々を魅了する、春の桜と秋の紅葉がモチーフの飾皿。末広がりで縁起が良い「扇」の中に桜と紅葉を描いた、日本の四季を感じさせる縁起の良い一品。
【山田平安堂】飾皿 描詰春秋
こちらも春の桜と秋の紅葉がモチーフの飾皿。桜と紅葉の背景には、流れゆく水を文様化した、「流水紋」が描かれている。この飾り手を手にした方の笑顔が、絶え間なく巡るように・・・という思いが込められた一品。
まとめ
高い技術を用いた作品ほど、制作に時間もかかります。
在庫なしと表記されているものも制作中である可能性がございますので、気に入った作品があればまずはお問い合わせください。