おしぼり受けは、お客様にお出しするおしぼりのトレーとして、様々な素材のものがありますね。木材、竹、籐。ステンレス、プラスチック・・・。
日本のおもてなし文化の一つとして語られることも多い、「おしぼり」。大切なお客様が触れる「おしぼり受け」は、せっかく真心込めて選ぶのであれば、日本の伝統的な漆をあしらったものがおすすめです。
伝統的な文化を、伝統的な塗りものと共に。簡単におしぼりの歴史について学びながら、おすすめの漆器のおしぼり受けをご紹介いたします。
室町時代に遡る、日本の伝統文化「おしぼり」
おしぼりは日本伝統の文化です。では、その始まりはいつのことなのでしょう。古くはおしぼりに関するらしき記述が、かの「古事記」にも登場するそうです。神話の世界はさておき、具体的に今で言うおしぼりのサービスの原型は?となると、一説には室町時代(江戸時代との説もありますが)、旅籠屋で水桶と手ぬぐいを用意し訪れたお客様の手足の汚れを拭い、旅の疲れを癒したことがその始まり、とも言われています。
引用元:東日本おしぼり協同組合
今も昔も変わらない、さりげない心遣い・・・。
暑い夏、ご自宅にお招きしたお客様が最初に触れるものですから、ひんやりとしたおしぼりで、暑さを和らげて頂きたいものですね。
また、お茶も頂き、少し落ち着いてきた頃。
冷房で冷えてしまったかなという時には、温かいおしぼりをそっとお出しして、ほっと心を休めて頂くのもいいかもしれませんね。
昔から守られてきた「おしぼり」という日本の文化。
そこには日本らしいさりげないおもてなしの心が詰まっているように思います。
和の輝きが美しい、漆器のおしぼり受け。
お茶に添えられたおしぼりを手にとって頂くと、漆塗りのお絞り受けが目に鮮やかに飛び込んできます。はっとするほど深い色合いに、お招きしたお客様も思わず目を奪われてしまうかもしれません。
漆器ならではの落ち着きを感じさせつつも、まるで吸い込まれてしまうかのような、奥深い色味。
古くから日用品にも使われ、その輝きで人々の生活に華を添えてきた漆器は、おしぼり受けとも非常に相性が良いと言えるでしょう。
近世以降、漆は、身の回りのさまざまな家具、調度、汁器に塗られ、日常生活になくてはならないものとなった。(中略)塗りものが浸透したのは、その機能性と装飾効果ゆえである。漆は、人々のくらしに豊かさを添えるものであり続けた。
国立歴史民俗博物館『企画展示 URUSHIふしぎ物語 -人と漆の12000年史-』(歴史民俗博物館振興会、二〇一七)一二〇頁
おしぼり受けにぴったりの、漆器の抗菌性。
赤ちゃん用のカトラリーとしても使われることの多い漆器。その秘密は、抗菌性が優れているという機能面にもあります。おしぼり受けにもまた、ぴったりの塗料ですね。
漆は接着剤や塗料としての機能を有していて,しかも抗菌性があると言われているがこれについて詳細な研究例はない。そこで漆膜について大腸菌群を使って抗菌性を調べた。また漆器関連物質として数種のプラスチックおよび22種の木材について抗菌性を調べた。その結果漆膜,フェノール樹脂およびヒノキ類に抗菌性が認められた。これら材料に共通している分子構造はフェノール性の水酸基を有することであり,抗菌I性は水酸基に起因すると結論した。
小川 俊夫、大出 直高(2007)「漆膜および関連材料の抗菌性」、『日本接着学会誌』 vol.43 No.6、 225、一般社団法人 日本接着学会
おすすめの漆器のおしぼり受け
ここからは、漆器のおしぼり受けをご紹介いたします。お招きした大切な方の思い出の1ページとなるような、おもてなしのシーンにお使い頂ける一品ばかりですよ。
【粂治郎】溜塗(ためぬり) おしぼり受[5枚]
越前漆器1500年の伝統を受け継ぐ粂治郎の一品。「溜塗(ためぬり)」という中塗りした赤色が半透明の黒色から透けて見える技法で仕上げられている。使い込むうちに漆が透けてきて、より赤色が見えるようになっていく。
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【恵比須屋】ななこ塗 おしぼり受け [O-2]
青森市で創業60年以上の津軽塗販売店の一品。内側に塗られた朱色が華やかな印象。外側は「ななこ塗」という技法で、ムラのない研ぎ出し仕上げで浮かび上がった、愛らしい小さな輪紋が特徴的。
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【漆器の井助】おしぼり受け 福型 5枚セット 漆塗り
創業180年余、漆器の井助の一品。非常にシンプルで使いやすいデザイン。色は古代朱と黒の2色。
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まとめ
自宅に1セットあると、見た目以上に心強いおしぼり受け。こういったちょっとした心遣いが、大切なお客様をもてなす時間に華を咲かせてくれるものです。