お正月などのおめでたい席。結婚式、出産、お節句、還暦など、ハレの日を祝う席。
特別な日に頂くお酒を盃に注いで大切な人と飲み交わすというのは、どこか神聖なものを感じるものですよね。
古くから日本でのお祝い事に欠かせなかった漆器の盃をここぞという時に取り入れると、いっそう華やかさを演出できるのではないでしょうか。
漆器の長期保管の方法も交えながら、おすすめの漆器の盃もご紹介いたします。
漆塗りの盃で酒を酌み交わす、神聖な一時。
古来、日本で酒というものは、先祖の霊魂や、八百万の神々をまつるたびに造られたものだと言います。
その祭りに集まった人々にとって、酒は神々に献上し、神々と一緒になって飲むもので、決して一人で飲むものではなかったのです。
「うたげ」とは酒宴で手を打つことだったといわれますが、同じくこれも大切な神事の一つでした。
長い歴史の中で、『ハレの器、もてなしの器』としての役割を担ってきた漆の器。華やかな漆の盃で酒を交わすと、例えそれがいつもの食卓であっても、神聖な一時を感じられるものです。
漆器の盃を所有するのは、現代ならではの贅沢。
今も昔も、漆器は贅沢品。
樹齢10年以上の漆の木、1本から牛乳瓶一本分ほどしか取れない貴重な漆に、職人が一つ一つ木材をくり抜いた素地を用いる本漆塗り木製の漆器。素材の希少性と必要とされる職人の高い技術から、日本の文化的な背景を遡るほどに、漆器がいかに貴重な品として人々の生活に根付いていたかを窺い知ることができます。
近世以降、漆は、身の回りのさまざまな家具、調度、汁器に塗られ、日常生活になくてはならないものとなった。
婚礼、法事をはじめとする儀礼の際には、多くの人が集まり会食がおこなわれるため、酒器揃や膳椀類が必要となる。豊かな商家などには数十人前という塗り物が備えられたが、一つの家で人数分を揃えるのは容易ではないため、他家に借りたり、あるいは共同体でこれらの漆器を共有したりすることも一般化した。
国立歴史民俗博物館『企画展示 URUSHIふしぎ物語 -人と漆の12000年史-』(歴史民俗博物館振興会、二〇一七)一二〇頁
陶器やガラス樹脂製品など、様々な素材の器が流通している中、漆器の盃を備えておくという贅沢。お正月やハレの日などのお祝い事に漆器の盃を添えることで、より特別な瞬間を演出できるでしょう。
必ず頭に入れておきたい、漆器の長期保管。
漆器は日常使いし、洗って乾かすことを繰り返すことで永くお使い頂けます。
一方で、盃や屠蘇器など、ここぞという時にだけ漆器を使いたいという場合は、素材に気をつけながら、保管方法に充分に注意する必要があります。
保管する際にきちんと確認すれば、いざという時も美しい姿のまま漆器をお使い頂くことができます。
まずは素材を確認し、本漆塗り、木製の漆器はその保管方法に気をつけましょう。
漆器の素材を確認する。
保管するにあたり、特に注意が必要なのが、天然の素材です。商品の素地に木材を使用しているもの、塗装は本漆でおこなっているものは、以下の保管方法を確認してください。
木製、本漆塗りの漆器の長期保管
屠蘇器など、かなり長期間に渡り保管する場合は、少し気を使ったほうが良いです。
長期の保管の際は、
- 箱にしまう(破損を防ぎます)
- 器を包む (擦り傷を防ぎます・新聞紙でもOK)
- 著しい乾燥・湿気はさける (暖房が直接当たるなど)
- 直射日光は避ける
- しっかり汚れを落とし、水気を切ってからしまう。
といったところでしょうか。
たまに空気に触れさせた方が良いようですが、なかなかそこまでは難しいですね。
おすすめの漆器の盃
ここからは、お正月やハレの日のお祝いにぴったりの、漆器の盃をご紹介いたします。
特別な日の食卓に華を添える、特別な盃をお探しください。
【 山田平安堂】盃 漆黒に金箔
金箔を大胆に漆黒のキャンバスに表現した漆器の盃。木製、本漆塗り。
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【山田平安堂】盃 本朱にプラチナ蒔絵
プラチナを取り入れた非常に珍しい漆器。盃としてはもちろん、珍味いれなどに使用しても。木製、本漆塗り。
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【 山田平安堂】三ツ組盃 金帯 盃台付き
伝統的な祝いの席で使用する、三ッ組盃。黒塗りの盃台が、一層フォーマルな雰囲気を引き立ててくれる。木製、本漆塗り。
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まとめ
お店や商品によっては、家紋を入れるサービスなどもございます。永くお使い頂ける、伝統ある漆器の盃と共に、日本ならではの風習を感じてみてはいかがでしょうか。