万年筆 ~。
使い込んでいくうちに持ち手の書き方に馴染んでいき、
より心地よい書き心地を生む万年筆。そんな万年筆に
魅了される方は多いのではないでしょうか。
万年筆に伝統工芸である蒔絵を施した「蒔絵万年筆」は
その立体的な美術描写が生み出す精緻さ、流麗さが魅力的な存在。
私たち平安堂も長年この蒔絵万年筆に関しまして
形にしていきたいという思いがございました。
しかしながら、蒔絵万年筆を形にする上で、
私たち平安堂には一つ大切にしたいことがございました。
それは、「さりげなく品の良い風合いを醸し出し、
持ち手の美意識を感じさせる」ような万年筆を
形にしたい、という思いです。
一般的に蒔絵万年筆というと、技術の限りを尽くした
美術品・嗜好品の側面が強い印象がございます。
そのような蒔絵万年筆の美しさは、もちろん私たちも大切にしたいものですが、
それとは別の形で「持ち手が自然な気持ちで用いることができて、品の良い美しさを
醸し出すような蒔絵万年筆」もあってよいのでは、という考えがございました。
ビジネスの場面で言えば、あまりに個性の強い小物を手にされた方が、
時に自己主張を感じすぎる時がございます。
口数は少ないけれども、どこか大人としての凛とした佇まいを感じさせる人とは、
身につけているものの派手さではなく、さりげない立ち居振る舞いの美しさや、
控えめながらも考えに筋の通った装いをしていること。
そうした“そこはかとなく”持ち手に美しさを添えるような、
そんな持ち手の美意識を表すような万年筆を形にしたいと思い
お作り致しましたのが、こちらの蒔絵万年筆でございます。
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