漆器とは?漆とは?日本の伝統的な器の魅力と初心者にもおすすめの漆器をご紹介
漆器 山田平安堂|夫婦椀 若松
漆、うるし。
漆器、しっき。
日本で生活をしていれば、日用品の何かしらが漆塗りのものであったり、伝統的な行事で目にしていたりと、無意識のうちに“ 漆 ”と関わっています。
漆器に興味を持ち始めると、こんなところにも漆器があったのか!と気づくこともしばしば。
こちらでは、日本を代表する伝統工芸品である漆器の魅力や、漆器をはじめて手にする方へおすすめの選び方など、漆器について詳しくお伝えします。
宮内庁御用達 漆器 山田平安堂

創業1919年の漆器専門店・山田平安堂。
ハレの日の器から、日常の食卓を彩る器まで、ライフスタイルに合わせて楽しめる漆器をご提案。
他にも、記念品や大切な方への贈り物など、法人様をはじめ個人的なギフトまで、国内外問わず広くご愛用いただいております。
漆器とは?

漆かきをした後の漆の木。漆かきは一般的に樹齢10~15年以上木からのみ行います。
日本の伝統工芸品「漆器(しっき)」。
漆器はその名の通り、漆(うるし)の木から採れる塗料を塗った器のことです。
木などの素材で作られた器に漆を塗ることで、耐久性を高めたり、美しく加飾をしたりすることができます。
日本では古くから漆器が作られ、各地の職人たちによって実用品としてだけでなく芸術品としても価値のある漆器が数多く生み出されてきました。
また、器のみならず、漆や漆を使って加飾された小物やインテリアも漆器と呼ばれます。
漆器の歴史
漆器 山田平安堂|仁清梅蒔絵シリーズ
その独特な美しい質感と色合いで、人々を魅了し続ける漆器。
漆器の歴史は古く、日本では約1万2千年前、縄文時代のころから漆が活用されていたことが分かっています。
当時から漆は食器の耐久性を高めたり、装身具に色を付けたりするものとして人々の暮らしに役立てられていたようです。
平安時代になると、現在のように漆を用いてさまざまな加飾や技巧が凝らされるようになり、芸術性の高い漆器が貴族を中心に愛されるようになりました。
江戸時代には青森県の「津軽塗(つがるぬり)」や石川県の「輪島塗(わじまぬり)」など、地域ごとに特色のある技法が確立します。
日本の漆器はヨーロッパを中心に海外にも輸出され、1900年のパリ万博の際には、日本の技術力の高さを示すものとなりました。
現代においても漆器は、食卓や日常に彩りと温もりを添える伝統工芸品として、私たちの生活を豊かにしてくれています。
漆器の伝統的な加飾技法
漆器にはさまざまな技法がございますが、その中でも特に美しさを目的とした代表的な加飾方法をご紹介します。
蒔絵(まきえ)
立体感のある精巧な蒔絵を施した盃
蒔絵(まきえ)とは、漆で絵を描いた上から色のついた粉を「蒔(ま)く」ことによって絵柄を表現する技法のこと。
時間と高度な技術を要しますが、繊細で立体的な絵付けが可能となります。
蒔絵を施した漆器は非常に華やかなことから、特に芸術性の高い漆器や位の高い人が使う漆器によく用いられました。
螺鈿(らでん)
神秘的に輝く螺鈿で描いた桜
螺鈿(らでん)とは、アワビや白蝶貝などのキラキラと輝く部分を漆器に埋め込む加飾方法です。
真珠層を薄く削って漆器に張り付ける「薄貝」と、分厚く切り出した貝殻をおなじように削った漆器にはめ込む「厚貝」の2種類に大きく分けられます。
螺鈿で装飾を施した漆器は、自然の生み出した神秘的な美しさを楽しむことができます。
沈金(ちんきん)
沈金の技法で描いた富士と松
沈金(ちんきん)とは、漆器の表面を彫刻刀などで削り、その溝に漆を塗りこみ、上から金粉などを蒔く技法です。
削った部分に色を沈めるため、細かな線を描くことができるのが特徴です。
産地による漆器の種類と特徴
日本では江戸時代にさまざまな産業が栄え、漆器も産地によって独自の技法が発展しました。
現在でも地域によって特色のある漆器が作られています。
こちらでは代表的なものをご紹介します。
輪島塗(石川県)
輪島塗は、堅牢さと装飾の美しさで知られる、日本を代表する漆器のひとつ。
「地の粉(じのこ)」という、輪島周辺で採れる珪藻土を漆と混ぜた下地を塗り重ねることで、日々の器としての耐久性が格段に向上するようになりました。
また、加飾の美しさも人気があり、蒔絵を用いた華美なデザインにはコレクターがいるほど愛されています。
会津塗(福島県)
約400年の歴史を持つ会津塗は、まろやかで美しい塗面が特徴です。
お椀や膳、弁当箱などの日常品から神事用の道具まで幅広く作られており、朱色や黒色を基調とした落ち着いた色合いが多く用いられます。
シンプルなデザインと耐久性が評価されています。
津軽塗(青森県)
津軽塗は「唐塗(からぬり)」という多層塗りの技法が特徴。
色漆を何層も重ねた後に研ぎ出すことで美しい模様が現れます。
主に箸や茶道具などが人気で、独特の模様が一点一点異なるため、個性的な風合いを楽しめます。
山中漆器(石川県)
「木地の山中」とも言われる山中漆器は、轆轤(ろくろ)を用いた木地の細工技術が得意で、精緻な木目や立体感を活かした製品が多く作られます。
シンプルな形状の中に木のぬくもりを感じさせるデザインが多く、日用品としての人気が高いです。
金沢漆器(石川県)
金沢漆器は、加賀百万石の文化を背景に、華やかな蒔絵や金箔を用いた装飾が魅力。
豪華さと上品さを兼ね備えたデザインで、茶道具やインテリア用の漆器として高く評価されています。
伝統的な意匠と現代的な感覚を融合させた作品も数多く見られます。
越前漆器(福井県)
越前漆器は約1,500年の歴史を持ち、日本最古の漆器とされています。
漆の耐水性を活かした堅牢な造りが特徴で、主に食器や盆などの日用品が多く作られます。
落ち着いた色合いとシンプルなデザインで、使用するほどに手に馴染む風合いが魅力です。
日々の食卓で楽しむ漆器の魅力
漆器 山田平安堂|大椀 布袋
伝統工芸品というと、なかなか手が出しづらい印象がありますが、漆器は暮らしの中でこそ、その良さが感じられます。
こちらでは、日々の食卓で楽しむ漆器の魅力についてお伝えします。
使うほどに色艶が増す
漆器の魅力のひとつは、その美しい色艶にあります。
そのままの漆は薄い茶褐色をしていますが、そこに朱や黒の塗料を加えてお塗りしています。
そのため漆塗りの朱や黒は、どこか奥行が感じられるまろやかな色合いになります。
また、漆は時が経つにつれて透明度を増していくため、使うほどに器の色艶が増してまいります。
日々の暮らしの中で器が育っていくのも、漆器を使う大きな楽しみのひとつです。
肌で触れて感じる温もり
漆器をはじめて使ったという方のなかには、手にした時、口にふれた時の優しさに驚いた、という方もいらっしゃるかもしれません。
漆は水分量が多いため、下地となる木肌にしっかりと吸い付きます。
ふっくらと高級感のある“肉持ち”の良さは、漆器ならではの特徴です。
また天然木を用いてお作りしている漆器は、断熱性と保温性に優れており、温かい汁物を入れたときでも手に温度が伝わりづらいため美味しく召し上がっていただける、という特徴もございます。
お手入れも意外と簡単

漆器のお手入れは難しい、と思っている方もいらっしゃいますが、日常的にお使いいただくのには特別な手入れは必要ありません。
・洗剤とスポンジを使って優しく洗う
・汚れが固いときは強くこすらずしばらくぬるま湯に付けておく
・長時間濡らしっぱなしにしない
・食器洗浄機や乾燥機は避ける
・洗ったあとはできれば乾いた布で拭く
など、一般的な木製の器と同じようにお手入れをいただければよろしいと存じます。
漆は自然界で最も強い素材の一つと言われており、酸・アルカリ、油に対しても耐性があります。
ただひとつ、乾燥に弱いという性質があるため、長く仕舞いこむことは避け、日常的に使ってあげるのが一番のお手入れになるかもしれません。
はじめて手にするなら。山田平安堂の漆器シリーズ
宮内庁御用達の漆器専門店・山田平安堂では、日々の食卓に彩りを添える漆器を、多数ご用意しております。
こちらでは、はじめて漆器を手にする方におすすめの、漆器の良さを感じていただきやすい器をご紹介いたします。
大切な方へのギフトにも安心してお選びいただけますよう、熨斗・ラッピングの無料サービスも承っておりますので、どうぞお気軽にお申し付けくださいませ。
毎日の食卓で優しい温もりを感じる、漆器の汁椀
商品名:汁椀 まゆみ
価格:9,350円(税込)
職人が丁寧に削り出した天然木のお椀に、美しい漆塗をほどこしたお椀です。
ふっくらと優しいフォルムが、食卓に優しい温もりを添えてくれる器です。
オーソドックスな朱と、透明感のある溜の2つの色をご用意しております。
炊き立てのご飯を美味しくいただく、漆器のめし椀
商品名:めし椀 欅
価格:8,250円(税込)
炊き立てのご飯を美味しくいただく漆器のめし椀です。
木製ですので軽く、手に伝わる温度も優しいという特徴がございます。
欅の美しい木目をお楽しみいただける、「すり漆」という技法でお塗りしました。
おめでたい贈り物にも喜ばれる、漆器の夫婦箸
商品名:夫婦箸 宝尽くし(ペア)
価格:11,000円(税込)
昔から日本でおめでたい絵柄とされてきた吉祥模様を散りばめた漆塗のお箸です。
「直接触れるものだからこそ」口当たりの優しい漆器を取り入れてみてはいかがでしょうか。
木箱に入れてペアでお届けいたしますので、贈り物にもおすすめです。
まろやかな口当たりを楽しむ、漆器のぐい呑
商品名:ぐい呑
価格:16,500円(税込)~
天然木をくり抜いたぐい呑に、鶴亀や松竹梅などのおめでたい絵柄を描きました。
漆塗ならではのまろやかな口当たりを楽しんでいただける器です。
日本酒がお好きな方への贈り物にもいかがでしょうか。
家族の真ん中に置きたい、漆器のサラダボウル
商品名:八角鉢 朱塗
価格:38,500円(税込)
存在感のある朱塗の鉢。
ご家族で囲むテーブルの真ん中に、サラダや煮物、揚げ物などを盛りつけるのに好適な器です。
末広がりで縁起が良いとされる「八角形」でお作りしております。
使うたびに幸せが重なる、漆器の重箱
商品名:いちねん重 溜
価格:49,500円(税込)
ふっくらとした艶が美しい溜塗の三段重です。
溜塗は透明感のある風合いが、わびさびを重んじる茶人に好まれてまいりました。
お正月はもちろん、記念日など家族が集う食卓で、一年を通してお楽しみくださいませ。