「応量器」、聞きなれない名前かと
思います。その名の通り、一つ一つの
食べ物の“量”に“応じた”器。
この「応量器」は古くから禅僧が用いた
食器で、修行中にお寺や托鉢で
使われておりました。
重ねて持ち運べるように入れ子になって
おりますので、修行の旅などの際に、
このセットがあれば食事に困らない
という大変優れた器だったようです。
古くから多くの禅僧が持ち歩き、
“日本の食スタイル”であるといえる
「少量で数多くの品を頂く」ということに
合っていたのでしょう。
禅僧や昔の日本人が大切にしてきた
修行や食文化など、一見しただけでは
分からない“物語”がこの器には
あるのではないでしょうか。
この応量器は、そんな“物語”について
思いをはせたり、薀蓄(うんちく)を語れる
そんな器かと思います。 |