江戸時代に生まれた日本美術の流派、「琳派（りんぱ）」。
日本の自然や神話を描く「大和絵」の題材を、
金箔背景を用い大胆に表現した構図が特徴の美術様式です。

俵屋宗達『風神雷神図屏風』
本阿弥光悦『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』
尾形光琳『紅白梅図屏風』『燕子花図屛風』
鈴木其一『朝顔図屏風』

ひとつの作品だけでも華やかな芸術品を
漆器職人ならではの技法「蒔絵」で一堂に描くことで
日本の誇る琳派作品を心ゆくまで楽しめる品となりました。

末広がりで縁起の良い扇型のインテリアとなりますので、
料亭やホテル、ご法人様への周年祝いにもおすすめです。

琳派は、師弟関係も血縁関係もない絵師たちによって
断続的に受け継がれ発展してきた、世界でも珍しい美術様式。
それらの歴史ある作品を、こちらでは小さな扇の中に描き
さらに大きな扇のキャンバスで一つのインテリアにまとめました。

末広がりの形をしている扇は「繁栄」「発展」「成功」の縁起物。
時代ごとに才能ある絵師が現れ継承してきた琳派400年の歴史を
扇の持つ意味に込め、デザインしております。

また、時代ごとのアレンジが加わりながらも
変わらず受け継がれてきたのが「大胆な金箔背景」という特徴。
こちらのインテリアでも、そのような琳派の系譜に想いを馳せ
黄金の輝きを放つ金扇をキャンバスに選びました。

琳派の歴史と趣を凝縮したインテリアを
どうぞお楽しみください。

琳派初期を代表する国宝『風神雷神図屏風』。
古来、仏教絵画や縁起絵巻で「千手観音の従者」として控えめに
描かれるのみだった風神と雷神を、一対で表現し「主役」に
抜擢した天皇御用達の絵師・俵屋宗達の傑作です。

風袋で疾風を巻き起こす風神、連鼓で雷鳴を轟かせる雷神。
躍動感がありながら、その風貌はどことなくユーモラスです。
大胆な画風に多くの絵師が憧れを抱き、100年後に尾形光琳が、
さらに100年後には酒井抱一が模写し、琳派を継承していく
ことになるのです。

原画でも印象的な金や黒、赤や緑の色合いは漆器の伝統色。
扇面額では金箔の上に金粉を漆芸技法・蒔絵（まきえ）で
施すなど、金色がより立体的に見える工夫も施しております。

鶴の絵と書が合わさり、ひとつのアートとなっている本作品。
当時最も優れた書家「寛永の三筆」のひとり、本阿弥光悦と
俵屋宗達の合作で、重要文化財に指定されております。

このとき描かれた鶴は「光悦鶴」と呼ばれ、
陶芸の世界にも大きな影響を及ぼしました。
あらゆる芸術分野の垣根を超え、琳派が受け継がれる
礎となった作品です。

扇面額では鶴が優美に羽ばたく箇所を抜粋し、
金銀の色合いでモダンに描きました。

金箔の上にリズミカルに並ぶ、鮮やかなかきつばた。
琳派を大成した江戸中期の絵師、尾形光琳による作品で
国宝に指定されております。

金屏風と主題の大胆な構図という琳派の礎を受け継ぎながら
色彩を、かきつばたの群青と葉の緑青のみに限定することで
金とのコントラストが映え、主題が引き立つ作品となりました。
扇面額の中でも、鮮やかな青がアクセントになっております。

琳派の最盛期を代表する国宝『紅白梅図屏風』。

老熟した白梅の「静」と若々しい紅梅の「動」の対比、
金屏風の「明」と水文の「暗」の対照的表現など、
風神雷神図に始まった“対照的な構図”の要素が詰まった
琳派作品の集大成と言われております。

ここに描かれたモチーフは「光琳梅」「光琳水文」と呼ばれ、
着物や和菓子など、衣食の文化に取り入れられるように。
琳派が日本文化として広く定着し、繁栄の栄華を極めました。

まさしく琳派の代表作と言える本作品を、
扇面額ではキャンバスの中央に描きました。

これまで京都の地で発展した琳派ですが
光琳より100年後、新しい潮流「江戸琳派」が生まれました。
金屏風の伝統を守りながら、より繊細な表現手法や
江戸の町人文化を取り入れた作風が特徴です。

鈴木其一作『朝顔図屏風』も、そのような作品のひとつ。
町人に広く親しまれてきた朝顔を金屏風に描くことで
洗練された印象となり、見る人に驚きを与えました。
その感動はやがて明治時代以降の「近代琳派」へと繋がります。

扇面額では、光琳の燕子花を左上に配置したのに対し、
朝顔を右下に描いております。
かつての風神雷神や紅白梅のような、構図の妙を
琳派作品の組み合わせでお楽しみいただけましたら幸いです。